タイトル







パーティーは腕試しの場
ダンスを習い始めた頃、やっと3級ぐらいのステップを踏めるようになった頃でしょうか、初めてパーティーなるものに行ってみようと思い、まだ見ぬ世界への扉を恐る恐る開けたのを思い出します。
 いざ、会場に入ったまでは良かったのですが、いよいよフロアーに立ち、踊り始めて大変なことに気がついたのです。
それは何かと言いますと、普段はサークルで4級とか3級とか規定のルーテンをこなしていただけなので、この広くて、しかも大勢のカップルで溢れそうなこのフロアーをどうやって移動して行ったらいいのか自分は知らなかったということです。結局あっちでぶつかり、こっちでは立ち往生と、さんざん皆さんに迷惑をかけてしまい、早々に席に戻って小さくなっていたと思います。
 皆さんが、楽しそうに流れるように踊っておられるのを見て、いったいどんな法則やルールが有って、進む方向や次のステップが決まっていくのか、そして、お相手に自分がやりたいステップを伝えるにはどうすればよいのか等々私の頭の中は「?」マークで一杯になっていました。
 後になって、ステップの一つ一つの動きにはちゃんと決まりがあり、リードの与え方、リードの受け方やコンタクトの仕方が有り、ステップを踏みながら、ちょっと大げさな表現ですが、互いにタイミングを合わせ情報の受け渡しをしないと駄目だということを知りました。
 悪夢の様なパーティデビューの日以来、これらの謎解きがダンスレッスンの楽しみの一つにもなりました。
あれから十数年やっと少しですがリードの仕方や男性の役割というものが分かりはじめてきました。ただ、分かることと出来ることとは別物で、しかも相手のあることです、そう簡単には行きません。
 パーティーは日頃の練習の成果を試す絶好の機会です。パーティーで出会ったお相手から、「リードが分かったよ」とか、「踊りやすかったよ」という愛のある言葉を戴くために「こけの一念岩をも通す」 ではないですが、これからも頑張っていきたいと思います。
そうすれば、いつかは「岩のように重い女性」でも動かせるようになるのでしょうか?ちょっと意味が違ったかな?